アメリカでは11月の4週目の木曜日がThanksgiving Dayにあたり、国民の休日になっています。アメリカでサンクスギビング(感謝祭)が始まったのは、1620年代です。イギリスからの移民達が秋の収穫を祝って、近隣に住んでいたインディアンを招いて一緒にご馳走を食べ、豊作を共に喜び感謝したのが今でも続いていると言われています。
現代では親族や友人達と集まってローストターキー(七面鳥)を囲む食事をし、日本でいうとお正月のような大切な家族行事です。
私の感謝祭はアメリカ人の夫の伯母夫婦の家に行くのが決まりになっています。
毎年、伯母のジョイスに会うのを家族中で楽しみにしています。娘は朝から早起きをし、夫も珍しくさっさと荷造りをします。一年で帰省渋滞が一番ひどいにもかかわらず、私たちは車で6時間かけて木曜日の晩のディナーに間に合うようにロスアンジェルスを出発します。
叔父と伯母はとても暖かい人達で、毎回、「茜、良く遊びに来てくれたわ!」と息が出来なくなる位のビッグハグで大歓迎してくれる上、料理がとても美味しいのが big bonus です。
2002年11月にアメリカ在住の夫と結婚した時、好きな人と一緒にいられる喜びと、日本にいる家族と離れてしまう寂しさが同時にありました。私と日本の家族はとても仲が良かったので、アメリカに永住するという事は今迄のいつでも会える関係が無くなってしまう事で自分の中に穴が空いてしまったような喪失感に襲われました。その数日後、ジョイスに感謝祭ディナーに招かれて彼女の子供達と孫達に会いました。皆とてもフレンドリーで、初対面にも関わらず私をまるで家族の一員のように迎え入れてくれました。
日本の家族といる時と同じ感じが再現されたのでびっくりしました。
その時、NLPトレーナーのロバート・デイルツのスポンサーシップ・メッセージのひとつを思い出しました。
You are welcome. You belong here.
訳:「あなたは歓迎されています。あなたはここの一員です。」
まさしく、自分の居場所があり、自分は家族の一員という感覚でした。
スポンサーシップに求められるのは、相手が自分は無条件に価値がある存在で、コミュニティーの一員であるというポジティブな状態をつくり、意欲的になり、リソースを発揮する事へのサポートとも言えます。私がジョイスとその家族から得たものはスポンサーシップでした。
初対面の私へのスポンサーシップ体験は、喪失感を埋めるに留まらず、私の目指すものになりました。それは私の個人セッションの場で、NLPトレーニングの場で、そしてNLP研究所を通して出会った方に「帰って来る居場所」を創り出すことです。
この生き方のきっかけになってくれたジョイスとその家族との出会いに感謝しています。